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追記・「双子座三重奏団&エクスドット」ツインライブ

時は、6月2日...双子座。

追記・「双子座三重奏団&エクスドット」ツインライブ_f0153998_943534.jpg

双子座三重奏団&エクスドット」ツインライヴに夕方から出かけました。
場所は荻窪。荻窪の町を訪れたのは初めてです。
熟女(まさしく!)4人組み、改札出たところで夕方落ちあい、
本むら庵」でとっても美味しいお蕎麦を堪能し(このお店・おすすめです!)
ワインで乾杯。
夜の演奏会の準備万端整えて、会場に向かいました。

トランペット・ピアノ・バリトンという特別なトリオ、
そして、作曲家・川島素晴氏と山根明季子さんeX.(エクスドット)による異質の世界。
この季節、双子座という名前も、とっても洒落ています。
私と同郷である曽我部清典氏によるそれは素晴らしいトランペット、
中川敏郎氏が自由自在に奏でるピアノ、役者かと間違いそうな松平敬氏によるバリトン、
3人の技術、音楽を愛する心、探求する気持ちがビンビン伝わってきた演奏会でした。
とにかく、一言でいうならば、何もかも、”度肝抜かれた”...。そんな言葉がぴったり。

まず、演奏会というので、
普通のクラシックの(やや現代的な)コンサートを予想していました。
前もって、お勉強しておけば、もっと違う印象、感想だったかもしれません。
(ごめんなさい、予備知識なしに行きましたから。)
ホールに入ると、まず、その雰囲気に驚きました。
普通のコンサート会場の雰囲気ではない...、
専門的な、教育的な、発表の場のようにも、思えました。
いや、どちかというと、芝居?を見に来たような、そんな感じかも。

ですから、まず、幕が開いて、薄明かりのもと舞台に5人現れたとき、
えっ!?何?この雰囲気は?今からいったい何が始まるの?と、かなり衝撃。
これこそ、音楽版、前衛の舞台?かと。
私の伯母が舞台をやっていましたから、何度か前衛の舞台見た事がありましたので、
似たような香りが。
表現するということにおいては、舞台も音楽もある意味同じなのかもしれませんね。
そして、余計なもの、無駄をそぎ落とした演奏、そういう印象も。
こうして、幕が開いた途端、まったく異質の空間に入ってしまった、私達でした。

追記・「双子座三重奏団&エクスドット」ツインライブ_f0153998_9144916.jpg


身の回りにある材料(もの)を使って、音を発し、
何かしらそこに規則めいたものを創りあげていく過程、本当に驚きました。
これも、音楽?これも演奏会?
それは一見、偶然に発せられた音のようだけど、
そこには緻密に考え分析された音が横たわり、
ひとつのまとまったメロディや旋律を作っているようでした。
最初は意味不明な音も、
聞いているいちに、しだいに何かしら意味がある!ということが、分かるようになりました。

まるで、
生まれ出た幼子が、最初におもちゃを口に運び、吹いたり吸ったり実験しているような、
その初めて聞く音への驚きや喜びを表現しているようでもあり、
子供が好奇心に満ちた心で、あれこれ実験しているような感覚というのでしょうか。
音が持つ意味、音が出る素朴な喜び。
曽我部氏の吹くトランペット、
さまざまな言葉に似せて音を作り出す(自由に繰るの)姿は、本当に圧巻!
凄い技術です。
その音色は、
深く伸びがあり、安定感があり、自由に生きている感じがしました。
私は、彼のソロの演奏、是非ゆっくり聞いてみたい...と思いました。

こうしてとにかく、今まで経験したとことのない、未知の世界の音楽を知り、
あらためて、音は私達の身近に、どんな場所でも、存在するということを実感。
そしてその音の一つ一つが大きな広がり、規則性を持ったとき、素敵なメロディとなることも。
嗚呼、奥が深い...。

ワインをちょっぴりいただいた後でしたから、
これは夢の世界?と、まるで狐につままれたような、
そんな、世にも驚きに満ちた不思議な音楽の世界♪を、この日体験したのでした。


この双子座の夜のこと、決して忘れないでしょう...。


シュトックハウゼン:ティアクライス(1975/抜粋)
曽我部清典:月の舟(新作初演)
中川俊郎:3人の噪音発生者のための音楽(2008年版初演)
松平敬:STONE(新作初演)
川島素晴:インベンションVb(新作初演)
川島素晴:Das Lachenmann II(新作初演)
山根明季子:Transend-b(新作初演)
ジョン・ケージ:Five(1988)  より。

芙蓉
by silku928 | 2008-06-04 09:36 | 映画・音楽・コンサート

猫好き。日常さまざまな出来事の中での”本音のつぶやき”


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