「画家と庭師とカンパーニュ」
2008年 09月 05日
9月になって、
夏の疲れを感じつつ、気がつけば、今日も一日が過ぎていく..、
そんな思いで過ごしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
私もそんなひとり..。
昨日はオフでしたので、Bunkamura・ル・シネマまでひとっ飛び!
すでにひとつ仕事を終えた友人と正午過ぎに待ち合わせ、
昼食は、デュ・マゴ・パリでパスタランチセットを注文。
美味しい手作りパンに冷製スープ、ベーコンとナスの和風パスタに、デザート、コーヒー付きで、
本当にこの値段なの!?(1000円)と思えるほどの内容。
美味しくて、もう感激!!(これは絶対おススメ♪です。)
友人と何度もその内容とあまりの安さに、繰り返し、感嘆の声を上げたものでした。
で、見ました映画は、「画家と庭師とカンパーニュ」。
そう、かねてから、是非見たい!と思っていた映画です。
見た後の感想を述べるのは、何だかとっても難しい..というか、
言葉で説明しにくい...というのが正直な気持ちなのですが、
この映画は、秀逸です。
『クリクリのいた夏』、『ピエロの赤い鼻』などのジャン・ベッケル監督の最新作。
ストーリーは、
仕事ではそれなりに成功を納めたものの、
都会生活に疲れ果て、故郷のカンパーニュに戻ってきた画家(キャンバス)と、
かつての幼馴染である友人(ジャルダン)が、40年ぶりに再会、
友人(ジャルダン)を、庭師としてして雇うことから物語は始まっていきます。
定年を迎え、老境にさしかかった今、
これまで全く違った人生を歩んできた二人が、
故郷で一緒に過ごす時間の中で、お互いがそれぞれ大事なものを再確認する..。
自分にとって本当に一番大切なものとは何なのか。
セカセカと日々暮れていく私にとっても、ここでひとつ深呼吸して、
今一度これからを見つめなおそう、そんな優しい気持ちになる作品でした。
今まで見たどんな映画とも違う、でも「見てよかった..」、心からそう思う映画でした。
こんなふうに人生の最後を迎えられたらいいな、
こんなふうに生きられたらどんなに素晴らしいだろう...純粋にそう思う映画でした。
ハリウッド映画のような派手な演出もなければ過激な音楽が流れるわけでなく、
あるのは二人の会話。それも心を結ぶ言葉のみ。
その会話の中に、人への思いやりとか優しさとか労りとか、
それから、自然の恵みに感謝しながら、
生きるということ、
命は、健康は、永遠ではないということも、あらためて考えさせられました。
男の友情って、なかなかいいものじゃない...。
その素朴さ、シンプルさ、とってもいいじゃない..。
実に、あったかい...。
結構強烈でした、こういう男同士の友情って存在するのね、って。
映像においても、仏の田舎の美しい景色、とっても素敵!です。
聞こえてくる音といえば、画家が時々奏でるピアノと室内から漏れてくるオペラ♪。
そして、庭師が時折ラジオで聞いていたモーツアルトの音楽くらいでしょうか。
画面を見ていますと、とっても懐かしい気持ちになります。
とっくの昔に、忘れ去っていた大事なものを、思い出させてくれるような、そんな情景。
また、庭師の手による家庭菜園の素晴らしさも充分に堪能しました。
大地を耕し、種を蒔き、水、肥料をやって愛情をかけて野菜や草花を育てあげる喜び。
庭師が画家や奥さんのために作った野菜は、決して華美なものではなく、
サラダ菜、ラディッシュ、ズッキーニ、インゲン、トマト、きゅうり、……といった
日々の暮らしの糧になるようなものがほとんど。
そんな庭師の姿にも、本当に心打たれました。家庭菜園、実にいいです。
そして、庭師は画家に一言、大切なことを言い残します。
「つねにナイフを持ち歩くといい。紐も一緒に。必ず役に立つから、忘れるなよ。」って。
ナイフと紐...。なぜ?そこにどんな意味があるの?
ずっとこの言葉、心に残っていました。
帰り道、電車に乗っていても、ずっと、ずっと。
もしかしたら、
しがらみやストレスや強大な力を、ナイフでもって思い切って断ち切って
余分なものは削ぎ落とし、極めてシンプルに生きよってこと?
それから、紐..は、人(家族)との繋がり、心の結び目を大切に、ってこと?
ううん、それは、たぶんそれぞれが、自分の心の中で感じることなのかもしれませんね。
どうぞ、みなさま、お時間がありましたらこの映画是非ご覧くださいませ。
上映劇場も限られていますが、本当にいい映画です。
疲れきった身体と心、優しく温かく、包んでくれること間違いないでしょう..。
芙蓉
夏の疲れを感じつつ、気がつけば、今日も一日が過ぎていく..、
そんな思いで過ごしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
私もそんなひとり..。
昨日はオフでしたので、Bunkamura・ル・シネマまでひとっ飛び!
すでにひとつ仕事を終えた友人と正午過ぎに待ち合わせ、
昼食は、デュ・マゴ・パリでパスタランチセットを注文。
美味しい手作りパンに冷製スープ、ベーコンとナスの和風パスタに、デザート、コーヒー付きで、
本当にこの値段なの!?(1000円)と思えるほどの内容。
美味しくて、もう感激!!(これは絶対おススメ♪です。)
友人と何度もその内容とあまりの安さに、繰り返し、感嘆の声を上げたものでした。
で、見ました映画は、「画家と庭師とカンパーニュ」。
そう、かねてから、是非見たい!と思っていた映画です。
見た後の感想を述べるのは、何だかとっても難しい..というか、
言葉で説明しにくい...というのが正直な気持ちなのですが、
この映画は、秀逸です。
『クリクリのいた夏』、『ピエロの赤い鼻』などのジャン・ベッケル監督の最新作。
ストーリーは、
仕事ではそれなりに成功を納めたものの、
都会生活に疲れ果て、故郷のカンパーニュに戻ってきた画家(キャンバス)と、
かつての幼馴染である友人(ジャルダン)が、40年ぶりに再会、
友人(ジャルダン)を、庭師としてして雇うことから物語は始まっていきます。
定年を迎え、老境にさしかかった今、
これまで全く違った人生を歩んできた二人が、
故郷で一緒に過ごす時間の中で、お互いがそれぞれ大事なものを再確認する..。
自分にとって本当に一番大切なものとは何なのか。
セカセカと日々暮れていく私にとっても、ここでひとつ深呼吸して、
今一度これからを見つめなおそう、そんな優しい気持ちになる作品でした。
今まで見たどんな映画とも違う、でも「見てよかった..」、心からそう思う映画でした。
こんなふうに人生の最後を迎えられたらいいな、
こんなふうに生きられたらどんなに素晴らしいだろう...純粋にそう思う映画でした。
ハリウッド映画のような派手な演出もなければ過激な音楽が流れるわけでなく、
あるのは二人の会話。それも心を結ぶ言葉のみ。
その会話の中に、人への思いやりとか優しさとか労りとか、
それから、自然の恵みに感謝しながら、
生きるということ、
命は、健康は、永遠ではないということも、あらためて考えさせられました。
男の友情って、なかなかいいものじゃない...。
その素朴さ、シンプルさ、とってもいいじゃない..。
実に、あったかい...。
結構強烈でした、こういう男同士の友情って存在するのね、って。
映像においても、仏の田舎の美しい景色、とっても素敵!です。
聞こえてくる音といえば、画家が時々奏でるピアノと室内から漏れてくるオペラ♪。
そして、庭師が時折ラジオで聞いていたモーツアルトの音楽くらいでしょうか。
画面を見ていますと、とっても懐かしい気持ちになります。
とっくの昔に、忘れ去っていた大事なものを、思い出させてくれるような、そんな情景。
また、庭師の手による家庭菜園の素晴らしさも充分に堪能しました。
大地を耕し、種を蒔き、水、肥料をやって愛情をかけて野菜や草花を育てあげる喜び。
庭師が画家や奥さんのために作った野菜は、決して華美なものではなく、
サラダ菜、ラディッシュ、ズッキーニ、インゲン、トマト、きゅうり、……といった
日々の暮らしの糧になるようなものがほとんど。
そんな庭師の姿にも、本当に心打たれました。家庭菜園、実にいいです。
そして、庭師は画家に一言、大切なことを言い残します。
「つねにナイフを持ち歩くといい。紐も一緒に。必ず役に立つから、忘れるなよ。」って。
ナイフと紐...。なぜ?そこにどんな意味があるの?
ずっとこの言葉、心に残っていました。
帰り道、電車に乗っていても、ずっと、ずっと。
もしかしたら、
しがらみやストレスや強大な力を、ナイフでもって思い切って断ち切って
余分なものは削ぎ落とし、極めてシンプルに生きよってこと?
それから、紐..は、人(家族)との繋がり、心の結び目を大切に、ってこと?
ううん、それは、たぶんそれぞれが、自分の心の中で感じることなのかもしれませんね。
どうぞ、みなさま、お時間がありましたらこの映画是非ご覧くださいませ。
上映劇場も限られていますが、本当にいい映画です。
疲れきった身体と心、優しく温かく、包んでくれること間違いないでしょう..。
芙蓉
by silku928
| 2008-09-05 20:02