「伊予かすり会館」
2013年 09月 02日
続きまして、二題目。
★「故郷の伝統工芸、伊予かすり、藍染め、これまた風流」
最終便まで少し時間があるということで、
今回、初めて「伊予かすり会館」に立ち寄りました。
観光地、近くにいましても、いつでも機会があると思って、
なかなか行かないものです。
実は、松山で作られている伊予かすりは、とても有名なのです。
『久留米かすり』、『備後かすり』とともに、日本三大かすりの一つに数えられているほど。
その始まりは江戸の後期。
農家の婦女子が、農作業の合間を見て、
少しでも副収入にでもなれば、と紡いだのでしょう。
この伊予かすりの考案者は、女性。
その発想がまた素晴らしい。
何でも、
藁葺き屋根のふき替えの時に、
押し竹の縄に括られた部分の藁は白く、陽に当たっていた藁は褐色に変わり、
綺麗な模様が出来ているのをみて、この模様を布にできないか、と考えたことが始まりとか。
発想も素晴らしいですが、それを考案して、実行したところが凄い。
糸を染色して、織って、仕上げる気の遠くなるような幾つもの工程、
朝から晩まで、辛抱強く織り続けたのですね。
昔の人は、偉いですね。しみじみ...。
伊予かすり、井桁や十字、玉文様や麻文様など、とてもシンプルで、
紺と白のコントラストが素敵です。
何とも涼しげで、風流。
藍の染め、みているだけで心落ちつきます。
絣の模様をつけるにはまず糸の束を縛り、
模様の箇所にする場所を染まらないようにし、
経糸と緯糸を計算して縛っていくようですが、
複雑な模様になるほど手間を要し、
その「かすれ」が味わい深く、
のち、「かすれ」→絣(かすり)に語源が変化したとか。
会館の中は、織りの実演、藍染めの体験もしており、
何人か、挑戦していました。
今では洋服が主流で、絣の着物も着ることもなくなり、
のれん、花瓶敷き、コースター、バックやポーチ、扇子などの小物に使用されていますが、
こうした伝統工芸がしだいに薄れ、用途がなくなってしまうのは、
本当に残念なことですね。
そういえば、母の里の祖父がなかなか風流人でして、
夏休み行くと、絣の着物をゆったりと着て、
野山の花を摘み、手作りのかごに活けていた姿、覚えています。
今回、御土産に絣のしおりを買いました。
友人の分も3枚。
読書の秋、これを挟んで本を読みましょうか。
たまに、故郷を思いだしながら.....。
芙蓉
by silku928
| 2013-09-02 17:09
| つぶやき・雑感